おもしろいチラシ・パンフレットのアイデアや事例

印刷業界ってのは、他のどの業界よりもWebに喰われやすいものです。 それでもまだまだ戦う余地は残っていて、Webに触れるインフラに不完全さがある以上、当分死滅はしません。

印刷でもWebでも放送でも、情報媒体としてお金を動かす大きな柱は広告です。 今チラシやパンフレットは広告としての魅力がどんどん低下しているようで、業界の人に聞くと、悲惨な話がごろごろ出てきます。 せめて差別化を図ろうと斬新なアイデアで、手にとってもらえて、捨てられず、興味を持ってもらえるチラシやパンフレットを工夫しているようですが、なかなかすんなりいきません。

知り合いへのメモも兼ねて、Webで見かける独創的だったり小さな工夫をしているチラシやパンフレットの事例を集めて、コメントをつけてまとめます。

型抜き

材料や制作、流通の都合から、チラシやパンフレットの大半は四角形です。 だからこそ型抜きでインパクトを与えられるんですが、問題は型と型に合わせたデザインのコストですね。

3Dプリンタで金属系の材料の精度が上がると、この辺のコストダウンもあり得るのかもしれません。 それまでに紙の広告媒体の市場規模が保てていれば、の話ですが。

シンプルにおにぎりを表現

斬新なデザイン!初狩PAおむすび広告チラシ(@八ヶ岳PA) 山梨のなう ~山梨情報ブログ~

おにぎりのチラシを、三角形で。 型はシンプルだし、おにぎりをしっかり連想できる。 いろんなパターンも展開しやすそうだし、良いなあこれ。

こういう考え方すれば、正方形で豆腐とか、長方形でチョコだとか、円でドーナツだとか、基本の型でも色々できそうです。 その型に合わせたデザインの方が大変かな。

商品の姿そのままに

アールプリモ 文京区白山印刷グラフィックデザイン - 焼き鳥

食べ物の型と写真をダイレクトに使用。 確かに手にとってみたくなる。

新規店舗なんかの広告であれば、まずは手にとってもらえるという意味で、このインパクトの強さは嬉しいです。

捨てられない一工夫

インパクト与えて手にとってもらっても、捨てられては意味が無い。 内容に興味を持ってもらえるのが当然一番良いんだけれど、「なんとなく捨てにくい」という気分も、広告への接触が増える意味で重要。 特にイベントで手配りするものだと、捨てられること自体が、捨てられた姿を宣伝してしまうことになるので、深刻です。

時刻表だとかレシピだとか、便利な何かを付け加えるのは昔から行われてる方法ですが、もう少し違うものを紹介。

リングで留める

アイデア満載チラシ | ひーのためごと

個人差はあるでしょうが、確かにこの金属リングひとつで、なんとなく捨てにくさが生まれます。

紹介元の記事にあるように、金属リング自体がもらっておこうという気分になるのが、まずひとつ。 それと、実際には大量生産なんだけれど、通常チラシに使用しない材料を組み合わせることで、手間がかかってる印象が出るんでしょうか。

ミシン使って糸で縫ってあるとか、ちょっと重厚な金属が付いてるとか、一部和紙が使われてるとか、材料や形に一手間あるだけで、無闇に捨てちゃいけない感は出せそうです。

お金に似ている

クリエイティブで面白い!悔しいけど貰ってしまうアイデア100点の”広告チラシ”とは? | 愛すべき道具達・・・。 - 楽天ブログ

折りたたんだ状態が一見お札風。 確かにこのままだと、ひっかかって拾った場合には反感買いそうです。 でも、手渡しやポスティングで、もっとビジュアルの工夫をすれば、光りそうなアイデアです。

お金に限らず、一見価値のある別のものに見せるというのは、広がりがあります。 例えばキップや切手などの換金性があるもの。 あるいは免許や証書など公的なもの。 手書きの個人的な手紙など思い入れを感じさせるもの。

こういった外見を、不快にならないよう注意して取り入れるのは、面白そう。

見るのが楽しい

手にとってもらえた後は、当然見てもらわないと話にならない。 ぱっと見のインパクトだけ強くても、なかなかその先は難しいです。

以下のページから、イベント関係のチラシで、楽しく見てもらえるような工夫を紹介。

記憶に残るチラシの工夫 | fringe blog

大判で開くと新聞風

紙のコストは余計にかかりますし、折のコストも増えますが、重厚さはかなりのもの。 開く行為そのものが、新聞で慣れた動作であり、開かれた紙面には自然と、何か面白いものがないかという視線が走ります。

新聞というモチーフを借りるのはままある手法ですが、サイズもしっかりと大判にしておくと、開くこと自体を楽しめ、誰かに見せたくもなりそうです。

切り離して人に渡せる

ミシン目が入っていて、切り離したそれぞれが単独のチラシとして機能する。 確かにこれは、口コミを広げるための良い形です。

切り離されるそれぞれの作り込みは大変ですが、イベントものでは特に嬉しい工夫です。


随時ネタを見つけてまとめていきます。