世界設定エディタが欲しい その1
ファンタジーが好きです。 特に、緻密に構築された別世界を描いた作品が好きで、始まりは子供の頃に児童書として読んだ『ゲド戦記』です。 直接描かれてはいなくても、重厚な世界が感じられる物語に夢中になり、あっという間に3巻まで読んでしまいました。
- 作者: アーシュラ・K.ル・グウィン,ルース・ロビンス,Ursula K. Le Guin,清水真砂子
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1976/09/24
- メディア: 単行本
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その後いつの頃からか、自分で別世界を妄想することが当たり前になってました。 多分、学校からの帰り道、独りで帰る日ののんびりした時間が育んだものです。 パソコンに触れるようになってからは、自分の思い描いた世界をテキストデータに起こし、妄想しては拡張するというのを繰り返しています。
別世界の設定が、ただテキストで残してあるというのは、結構煩雑です。 私が世界を妄想する作業は、イマジネーションの赴くままというのではなく、構造化して細分化して扱うため、単なるテキストではその妄想と合致しません。 1つの世界設定を包括的に取り扱える、世界設定エディタがあればなあと、ずっとなんとなく探してきました。
最初は単なるテキストエディタです。 ファイルを分けるのは世界を分けるようでしっくり来ず、単一のファイルで扱っていました。 設定やエピソードごとに適当な区切り文字を定め、インデントをしたりしてみましたが、やはり不便です。
そこでアウトラインプロセッサを試しました。 確かに構造化ではありますが、その構造は世界というよりもう少し小さなものを扱うのに向いているのか、どうにも馴染めませんでした。
次はGoogle Notebookを試しました。 今はもう終了してしまったサービスですが、代替となったEvernoteよりも好みでした。 でも世界設定エディタとしてはいまいちで、結局ノートの集合にしかなりえず、世界の構造を表現するのには不向きでした。
そして、Wikiを試しました。 MediaWikiがそれなりのサーバーでも動かせるようになっていたので、Wikipediaの実績も踏まえ使ってみました。 Wikiという仕組みそのものは世界設定を扱うのに、テキストエディタやアウトラインプロセッサより向いていました。 設定で取り扱う対象間のリンクは容易で、自由記述の汎用性も合っていました。 しかし、世界設定に欲しい他の構造を取り扱えず、またWiki全体の構造化の難しさから、使えば使うほど中途半端さへの不満が増しました。
結局今では、いつか適した世界設定エディタに出会ったら移植すれば良いと、平文のテキストで拡張していっています。